市比賣神社

女性の守り神として知られる「市比賣(いちひめ)神社」は、良縁・子授け・安産といった女性特有の願いごとに大きなご利益があるとされています。全国でも珍しく、御祭神がすべて女神であることから、厄除けを願う女性の参拝が後を絶たない神社です。その長い歴史と数々の信仰にまつわるエピソードが、古くから人々の心のよりどころとなってきました。京都中心部に位置し、気軽に訪れられる場所でもある市比賣神社は、参拝の旅にぴったりの神社です。


市比賣神社とは

市比賣神社は、平安時代の延暦14年(795年)に藤原冬嗣が、桓武天皇の命を受けて官営市場の守護神として創建した由緒ある神社です。その歴史の中で、皇室や貴族からも深い信仰を受け、女人厄除けや市場の守り神としても人々の信仰を集めてきました。現在も京都中央市場の守護神として市場の中心に分社「市姫神社」が祀られており、神社の伝統が今もなお受け継がれています。

本殿が北向きに建てられているのは、皇居(御所)に対して敬意を表すためで、これは全国でも珍しい建築です。また、神社には手水舎「瀞(すがすがしい)」も設置されており、心を清めるための水が用意されています。由緒正しき神社の空気の中で、すがすがしい気持ちになれるひとときをお過ごしください。

市比賣神社の見どこ

女神が祀られた本殿と女人厄除けのご利益

市比賣神社の御祭神はすべて女神様であり、女性の守護や厄除けの神として信仰されています。中でも「女人厄除け」に大きなご利益があるとされ、全国から多くの女性が参拝に訪れます。江戸時代の大飢饉以来、扉が閉ざされていた御神像も一時的に公開されたことがあり、神社に祀られる女神像は非常に珍しいものとされています。

平安京官営市場の守護社としての役割

平安時代、当社は左右両市と呼ばれる平安京唯一の官営市場の守護社として多くの参拝者で賑わっていました。昭和時代、日本初の中央卸売市場が開設された際には、分社「市姫神社」が京都中央市場に祀られ、現代でも商業の繁栄と人々の信仰が絶えず続いています。

天皇の産湯にも用いられた「天之真名井(あめのまない)」

市比賣神社の境内には、「天之真名井」という名水が湧いています。この名水は、平安時代の歴代天皇の産湯として使用されてきた由緒ある水で、現在も茶会やさまざまな行事に利用されています。名水として親しまれ、地元の方にも愛されています。

「五十日百日之祝(いかももかのいわい)」の起源

市比賣神社はまた、赤ちゃんが生まれてから50日目か100日目にお祝いを行う「五十日百日之祝」の発祥地とされています。この儀式は、お子様の健やかな成長を願い、現在のお食べ初めに相当するものです。古くから皇族や公家の間でも行われており、今も旧家では市比賣神社で授かった餅を用いてお祝いがされています。

本殿が北向きに建てられた理由

本殿が北向きに建っているのは、御所に向かって建てられているためです。この配置は皇室とのつながりを表しており、皇后陛下勅願所として歴代皇后からも篤い信仰を集めてきました。このような建築様式を持つ神社は珍しく、歴史を感じられる貴重な建物です。

アクセス情報

市比賣神社は京都市下京区にあり、京都の中心地からアクセスが便利な場所にあります。電車でお越しの場合、最寄り駅は京阪本線「清水五条駅」で、徒歩約5分、または地下鉄烏丸線「五条駅」から徒歩約10分の距離です。また、JR「京都駅」からも徒歩約15分でアクセス可能です。バスをご利用の場合は「河原町正面」や「河原町五条」バス停から徒歩約3分で到着します。専用の駐車場はありませんが、周辺には複数のコインパーキングがあり、車での訪問にも便利です。

市比賣神社は、京都の中心地にあり、アクセスも良好です。

  • 住所: 京都市下京区河原町五条下ル一筋目西入
  • 電車でのアクセス:
    • 京阪本線「清水五条駅」より徒歩約5分
    • 地下鉄烏丸線「五条駅」より徒歩約10分
    • JR「京都駅」より徒歩約15分
  • バスでのアクセス: 最寄りのバス停は「河原町正面」「河原町五条」で、徒歩約3分の距離です。
  • 車でのアクセス: 神社には専用駐車場がありませんが、周辺には複数のコインパーキングがありますので、車でのアクセスも可能です。

市比賣神社は、古来からの文化と習わしが残る神社です。女性の守り神としての信仰が深く、京都に訪れた際にはぜひ足を運びたいスポットとしておすすめです。

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